時間栄養学 →いつ、何を、どれくらい食べればいいのか?を考える学問

 4月がすぎ、ゴールデンウイークに入りました。
新年度となり、新社会人となられた方・新しい職場になった方など新生活をスタートされた方も多いのではないでしょうか。
なかなか慣れない環境での生活で心と身体の調子を崩さないためにも、このゴールデンウイークに、一度日々の生活リズムを見直してみませんか?


 人間の身体の中には様々な「体内時計」が備わっています。
中でも「サーカディアンリズム(概日リズム)」は、みなさん1度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。サーカディアンリズムとは、人間が生まれ持っている約24時間の周期のことです。
個人差がありますが多くの人は24~25時間、少数ですが24時間より短い人もいると言われています。
サーカディアンリズムを整えることは体調管理の上でとても重要で、食事や栄養の消化吸収・代謝など、健康の維持にも関わっていることがわかっています。そのため「いつ・何を・どれくらい食べればいいのか」も体調管理の上で大切です。

 まず第一に大切なのは、体内時計をリセットすることです!
人間の体内時計は外界の24時間より長いので、「起床後に光を浴びること」と「朝ごはんを食べること」でこの差をリセットすることができます。
光を浴びることで、脳の視床下部にある視交叉上核に伝わり体内時計をリセットし、その約15時間後に、睡眠ホルモンである「メラトニン」の分泌が始まり夜は眠くなるようになっています。起床直後に朝日を浴びることが一番効果的と言われているので、朝起きたらまずはカーテンを開けて太陽を浴びるようにしましょう。

そして朝ごはんを食べることで消化管が働き始め、身体の末梢にある体内時計もリセットすることができます。朝ごはんを食べないと、脳がうまく働かず仕事の効率が落ちたり、筋肉量が低下することにより基礎代謝が落ち、太りやすく痩せにくい身体になってしまいます。

朝食には、脳を動かすエネルギー源である炭水化物、筋肉の維持に必要なタンパク質が不足しないようにすることがポイントです。タンパク質に含まれるトリプトファンというアミノ酸を摂取すると体内でセロトニンという物質が合成されます。セロトニンには精神を安定させる働きがあり、近年女性ホルモンの分泌とも関係があることが分かってきています。しっかりとセロトニンが分泌されることで睡眠ホルモンであるメラトニンの分泌も促進されるので、ぐっすりと眠ることができます。




炭水化物とタンパク質を組み合わせた朝食として、、、<ごはん>
納豆ごはん・卵かけごはん・焼き魚とごはんなど
→ダイエット中や血糖値の気になる方は、めかぶをプラスしたり、もち麦や雑穀を混ぜて炊いたごはんにするなど食物繊維をプラスできると◎<パン>
トースト+ハムエッグ、ツナトースト、ホットドックなど
→レタスやキャベツ、トマトなども一緒に挟んで食べるとビタミン・食物繊維もプラスされさらに◎
パンをライ麦パンや全粒粉パンにすることで食物繊維をUPできます!

★簡単レシピ★ サラダチキンと塩昆布のお茶漬け

材料:ごはん1膳+塩昆布+サラダチキン(焼き魚やフレークでも◎)+お茶や出汁など
※好みで梅干しやごま、こねぎや青じそなどをプラスしても美味しいです。
作り方:①深めのお茶碗にごはんを盛り付け、塩昆布を加え混ぜご飯にする。
    ②①にサラダチキンを乗せ、お茶か出汁をかける。
⇒お茶漬けにすると忙しい朝でもサラサラと食べやすく、気温が上がるこれからの季節は適度に塩分摂取もできるのでおすすめです◎

朝、食欲がなく朝ごはんを食べたくないという方もいると思います。
たんぱく質を含む牛乳や豆乳をコップ1杯からでもぜひ初めて見てください♪
夕食が遅くなりそうな日は、夕方におにぎりやパンなど炭水化物を先に食べ、遅い夕食は汁物や野菜を中心にしたメニューで軽めにしておくことをおすすめします。
朝食から夕食までの食事の時間を12時間以内にすることが理想的と言われていて体内時計も崩れにくくなると言われているので意識して食事をしてみるのもいいかもしれません。

朝起きて、太陽を浴び朝ごはんを食べる………

子供のころは当たり前のようにできていた習慣かもしれませんが、大人になると毎日習慣にするのはなかなか難しいと感じた人もいるかもしれません。
 
 この休暇中に、ぜひ一度ご自身の生活を見直して体内時計を整えてきましょう!

 
 当院には、皆様の栄養面について優しく時に厳しくサポートしてくれる、頼もしい管理栄養士がいます。

コレステロールが高いけど薬を飲みたくないとか、夕食が遅いけどどんなものたべればいいの?など、皆様のお悩みに寄り添って指導してくれます。

ぜひご興味のある方はスタッフにお尋ねください!