睡眠・・・2  睡眠時無呼吸症候群

強い日差しがまぶしい季節がやってきました。

街ではカラフルな色のお花が日の光を浴びて輝いています。


先日、患者様よりご自宅で育てられているバラを頂きました。

優雅で気品のあるバラは見ているだけで豊かな気持ちになりますね。

院内はバラ香りに包まれ大変癒されました。

 

 

 

前回のブログで睡眠障害について書きました。
読んでいただいた方から、睡眠についてご質問を受けたので少し書いてみたいと思います。

睡眠障害の原因の一つに睡眠時無呼吸症候群という疾患があります

その名前の通り、睡眠中に呼吸が止まる病気です。

医学的には

「無呼吸(10秒以上の呼吸停止)がひと晩7時間の睡眠中に30回以上、

あるいは1時間に5回以上ある方は睡眠時無呼吸症候群(SAS)

と診断されます。


日本国内における睡眠時無呼吸症候群SASの潜在患者数は約500万人(有病率:男性約9%、女性約3%)と推定されていますが、なかなか診断がつけられず、放置されている人がかなり多いのが現状です。

  では ‘’睡眠時の無呼吸‘’はどういう点で問題になるのでしょうか?

動脈硬化とドロドロ血液

無呼吸や低呼吸が続くと血液中の酸素が減り、二酸化炭素が増加します。

その結果、動脈硬化を悪化させます。

また、酸素不足を補おうと体が赤血球を必要以上にたくさん作ることで血液が

ドロドロ(多血症)になります。

 

②心臓への負担増加
無呼吸により血液中の酸素が減ると、酸素不足を補うために心臓はたくさん動いて、

いつもより多くの血液を身体へ送りだそうとします。

そのため、睡眠中に心拍数が下がらず、心臓が休めずに負担が増えます。

また、睡眠時無呼吸症候群では、心臓に血液が集まりやすくなるので、その受け皿

である心臓の負担がさらに増えます。

 


③自律神経障害
本来睡眠中は体を休ませるために、副交感神経が優位に働きます。

睡眠時無呼吸症候群では、酸素不足が起きる度に緊急スイッチが入り、

交感神経が優位に働きます。

その結果、自律神経のバランスが乱れ、過食による肥満、耐糖能低下による糖尿病、

血圧乱高下、心房細動等を引き起こします。

 

  また、‘’睡眠時の無呼吸‘’の状態を放置すると仕事の作業効率が落ちるだけではなく、居眠り運転事故や労災事故を起こす危険性が高まり、思いもよらない大きな損失を招くことになりかねません。

このように、睡眠時無呼吸症候群は、睡眠中の出来事で自覚がなく、体への影響が間接的で分かりにくい恐ろしい病気です。

高血圧の人やメタボリック・シンドロームの人、いびきをかく人や日中に眠気を感じる人は要注意です。

この病気を調べるには、睡眠中に検査を行います。簡単な検査ですので、どなたでもやっていただけます。

当院でも検査はをしております。また健診にも検査を追加することも可能です。

心あたりのある方、また車の運転のお仕事をされている方は一度検査をお勧めします
                            
眠気の尺度アンケートを載せておきますね。
ご自分の睡眠を振り返ってみてください。      

 

~~~エプワース眠気尺度( Epworth sleepiness Scale;ESS )~~~

・質問のような状況になったことがなくても、、その状況になればどうなるかを想像してください。(以下の8項目の質問に対して各項目0から3の該当点数の合計点を出してください。)

    
 1. すわって読書をしているとき     
 2. テレビを見ているとき
 3. 人の大勢いる場所(例えば会議中や劇場など)で座っているとき
 4. 他の人の運転する車に、休憩なしで1時間以上乗っているとき
 5. 午後に、横になって休憩をとっているとき
 6. 座って人と話しているとき
 7. 飲酒をせずに昼食後、静かに座っているとき
 8. 自分で車を運転中に、渋滞や信号で数分間、止まっているとき

 

点数0:決して眠くならない、1:稀に(時に)眠くなる、2:1と2の中間、

3:眠くなることが多い

 

正常は10点以下で16点以上は重症、11~12点は軽症、13~15点は中等症と評価されます。

・11点以上だと睡眠時無呼吸症候群の疑いが強いと考えられます。